連載 かかわるチカラ―糖尿病療養指導の現場学・2
「患者さんと向き合うチカラ」をつける
東 めぐみ
1
Megumi Higashi
1
1駿河台日本大学病院
pp.428-433
発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101262
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
事例「インスリンを打つのがつらい」
宮田さん(2)
「インスリンの回数が増えてちぐはぐな感じがする……」
(前回までのあらすじ)宮田さんは50代女性.この1年間,HbA1c10~12%台が続いており,インスリンも半年前に2回打ちから4回打ちに変わった.1回目の生活相談では指示カロリー(1600kcal)は守っているが,インスリン4回打ちについて「そんなに必要なのかなって思う.食事のたびに打つのがつらい」という言葉がきかれ,また「間食がどうしてもやめられない」とのことであった.私は,宮田さんに1日の生活を振り返ってもらい,どこで血糖をコントロールするための生活を調整すればいいのか一緒に考えた.その結果,間食の回数を減らし,その分,ストレスがたまらないように昼の食事の直後に間食を食べるなどの具体策を見出し,血糖値の推移をみることとした.
しかし,1か月後の診療日,宮田さんは2回目の生活相談にはあらわれなかったのである.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.