連載 こんな方法もあるかもしれない―介護発,武術経由の身体論・3
技術としての身体の使い方
岡田 慎一郎
Shinichirou Okada
pp.242-247
発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101222
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前回は,我々の身体に染み付いた思い込みや合理的な発想が,ときとして無駄に転化してしまうことがあるのを,身体を動かすなかで感じていただきました.今回からは少しずつ,概念的な話から具体論に移っていきたいと思います.実際の看護・介護の現場における身体介助の困難例を具体的にどうしたら打開できるかを,精神論ではなく実践を通して感じていただきたいと思います.
ただ,私は「現場でそのまま使える技術」が,そのまま現場の困難例への解答につながる,というふうには考えていません.介助を受ける方には一人として同じ人はいませんし,援助者の身体も一人ひとり異なります.「現場でそのまま使える技術」を1つずつ覚えて,場面に合わせてそれを使っていくのも1つのやり方ですが,それは「何が起こるかわからない」現場では,むしろ有効でないことも多いと思います.私はできるだけ,いろんな場面で応用が利きやすい,根本的な身体の使い方の練習法をご提案しています.
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