連載 こんな方法もあるかもしれない―介護発、武術経由の身体論・24
背負う技術
岡田 慎一郎
Shinichirou Okada
pp.70-75
発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101549
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前回は、胸を張った「気をつけ」の姿勢よりも、仙骨と腰椎を反らさずまっすぐにした姿勢のほうが腰に負担が集中しにくいということを紹介しました。今回は、その姿勢の効果を現場で活用していくことを考えてみたいと思います。現場では、真っ直ぐに立つことよりも、腰をかがめる姿勢をとる場面が多いはずです。そこで今回はかがんだ状態のときにいかにして機能的な姿勢を保つかを考えてみたいと思います。
取り上げるのは「おんぶ」です。相手を背負い、歩くという状況は、技術よりも体力が問われる場面だと思われがちですが、実は技術によって明確な違いが出ます。
看護の現場では相手を背負うことはあまり多くないかもしれませんが、家族介護や子育てなどでは珍しい場面ではありません。そうした際の実用性とともに、身体の使い方の基盤をつくるトレーニングとして、取り組んでいただければと思います。
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