連載 こんな方法もあるかもしれない―介護発,武術経由の身体論・2
「無駄」の効用
岡田 慎一郎
Shinichirou Okada
pp.148-152
発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101207
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無駄の多い講習会
私の行なう講習会では,現場ですぐに使える介護技術だけではなく,身体の動きを意識してもらえるような武術的な遊びや,身体運用法のトレーニングなども多く行ないます.そのため,参加者の方の中には「現場の介護に関係ないことはやめて,もっと具体的な技術を教えてほしい」とリクエストを受けることがあります.そういう方は,武術的な遊びは講習会の息抜きに過ぎず,自分にとっては無駄なものだと感じておられるようです.
確かに,病院,施設,在宅で看護,介護をされている方にとって,個別のケースにおける具体的方法を学びたいというのは切実な問題です.介護現場では身体介助によって身体を痛めてるケースも多いですから,今すぐにでもよりよい技術を身につけたい,という希望は切迫したものだと思います.
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