新連載 明るい肉体①
匂
天田 城介
1
1立命館大学大学院先端総合学術研究科
pp.440-441
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100081
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「患者さんに共感したい」「彼らの気持ちをわかりたい」……でも,わからないことのほうがずっと多い.だが,私たちは日々絶えることなく看護する.彼らの肉体―匂い,声,手,骨,毛,皺,血管,嘔吐,精液,口,顔,排泄物―が,私たちの肉体を駆動するから.目の前にはすでに彼らの肉体があり,私たちはいつも触れる/触れられることができる.看護をするのに理由(物語)はいらないのかもしれない.「なぜあなたは,今日も看護を続けていますか?」「わからない.でもきっと,いまここに患者さんがいるから……」.
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