特集 腹臥位は特別なことじゃない 導入と継続のための道しるべ
「継続できる」腹臥位療法をめざして―柳原リハビリテーション病院での実践と継続への手ごたえ
境 裕子
1
1健和会臨床看護学研究所
pp.898-902
発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101089
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腹臥位療法との出会い
初めて腹臥位療法に出会ったのは,かれこれ8年位前のことです.当時,介護保険制度施行前の介護力強化病棟に勤務していた私は,上司の「腹臥位療法をやってみたい!」という提案を,初めはなんとなく面倒くさく感じ,上の空で受け流していました.上司はその頃,川島みどり先生の講演を聴き,そこで初めて腹臥位療法を知って強く興味を持ったとのことでした.そんな上司の熱意に押されながら,私たちスタッフは半信半疑でしたが,雑誌の特集記事などを参考にしながら腹臥位療法を開始しました.
試行錯誤しながらも患者さんに少しずつ変化が現われだした頃,ちょうど介護保険制度が開始となって新病院ができ,病棟はそちらへ移転することになりました.そして,スタッフも患者さんもばらばらになってしまいました.その後は新病院の立ち上げの混乱などに流され,腹臥位療法はうやむやのまま,私自身も腹臥位療法の効果をきちんと体験しないまま中止となりました.
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