特集 結果の出せる褥瘡対策チームを作ろう
療養型病床群における「褥瘡治療・予防委員会」の取り組み
天野 冨士子
1
,
菅原 啓
1
,
羽崎 達哉
1
,
木村 美幸
1
1医療法人渓仁会定山渓病院
pp.136-142
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100917
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
2002年10月から「褥瘡対策未実施減算」が新設されたことを受け,褥瘡への関心が一気に高まったことが,2002年の日本褥瘡学会や,褥瘡関連の講演への多数の参加者から感じられる.
当院は,病床数366床の介護療養型医療施設である.褥瘡に関しては,顧問である大浦武彦先生(北海道大学名誉教授)の指導のもと,1997年に,褥瘡の知識や技術の向上を目的に,「褥瘡治療・予防委員会」を発足した1).
委員会の活動として,月1回の勉強会に加え,専門の医師(委員長),看護師(副委員長),薬剤師で月2回の回診を行ない,問題点や解決策を検討してきた.また,アセスメント表を作成.評価基準を統一したうえで,個別の問題点を見出すようにし,対策へ結び付けてきた.さらに,褥瘡発生時の対応を統一するためマニュアルを作成した.この結果,当院で発症した褥瘡の有病率は低下し,体圧分散マットレスの使用率は向上した.5年間の活動を振り返りながら,同委員会の取り組みの軌跡を紹介する.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.