特集 結果の出せる褥瘡対策チームを作ろう
介護療養型医療施設における多職種混成チームの成果
田端 恵子
1
1医療法人社団浅ノ川千木病院
pp.143-149
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100918
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はじめに
当院は,500床の介護療養型医療施設である.入院患者は,平均年齢82.3歳と超高齢者であり,介護保険の平均要介護度は4.02と,多くが寝たきりでほぼ全面介助を要する.そのため,褥瘡の発生危険度も高く,現在,当院で褥瘡発生危険点と定めているブレーデンスケール(以下,BS)16点以下の患者は490名中396名で,全体の81%を占めている.そこで,1997年より「褥瘡チーム」を作り,院内全体で褥瘡対策を実施してきた.その結果,図1に示すように,年々患者の高齢化やケア度が増してきたにもかかわらず,褥瘡発生率は低下している1).このことから,褥瘡チームの指導により,有効なケアの選択と実践がなされていると考えられる.
そこで今回,当院での褥瘡対策への取り組み,多職種混成チームの成果,高齢者施設としてのケアの留意点と今後の課題等を報告し,2002年10月からの「褥瘡対策未実施減算」を契機に,今後ますます褥瘡対策に努める他施設の一指針となれば幸いである.
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