特集 新しい長期療養サービス
療養型病床群の役割と運用の考え方
大道 久
1
Hisashi OHMICHI
1
1日本大学医学部医療管理学
pp.558-562
発行日 1991年7月1日
Published Date 1991/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900956
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
「療養型病床群」が,人口の高齢化に伴う医療需要の著しい量的・質的変化を受けて導入されようとしていることは明らかである.急速な高齢化の進展が医療に及ぼす影響は様々な側面から捉えられるが,施設機能の観点からは,入院に占める高齢患者の著しい増加,入院期間の長期化,必要とするサービス内容の変化等についてまず見ておく必要があろう.
表1は,患者調査等の資料により,病院および有床診療所の入院患者数の推移を,年齢階層別に,現在の入院受療率が変わらないものとして以前に筆者が推計したものである1).1985年を起点としているが,その後も概ねこれに沿って推移しており,現在でも参考になる.この表からも読みとれるように,既に43%程度に達している老年人口層の入院患者は,今後も増加し続けて,2000年で半数を越え,更に20年後にほぼ3分の2に達する.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.