特集 ここまでできる!摂食・嚥下リハビリテーション
[提言]なぜ今「摂食・嚥下障害看護」認定看護師なのか
浅田 美江
1
1愛知県看護協会認定看護師教育課程
pp.240-241
発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100881
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摂食・嚥下障害看護の重要性
摂食・嚥下障害に苦しみ,リハビリテーションに励んだ結果,ようやく食物をむせることなく口から飲み込めた瞬間の患者の「笑顔」に,出会ったことがあるだろうか? それは本当に,輝くような笑顔である.家族と手をとり,涙さえ浮かべる方もいる.その「口から食べる喜び」と「笑顔」を取り戻すことが,「摂食・嚥下障害看護」の目指すものである.
人のQOLに,「食」が重要であることは言うまでもない.QOL評価指標であるSF.36を用いた調査では,「体の痛み」を除く7つの下位尺度において,摂食・嚥下障害患者のQOLが国民標準値と比較して有意に低下していたことが報告されている1).また高齢者を対象とした調査では,摂食・嚥下障害および咀嚼能力が生きがいと有意な関連を示し,社会活動性とも有意に相関したことが示されている2).すなわち口から食べることは,単に栄養摂取の一手段ではなく,人のQOLに著しく影響を及ぼす重大な因子なのである.
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