特別記事
認定看護師への組織的支援に関する提言―導入の成果を保証するために
稲田 三津子
1
,
天野 幹子
2
,
沼田 玲子
2
1日本赤十字看護大学
2日本赤十字看護大学大学院看護学研究科看護管理学専攻修士課程
pp.888-892
発行日 2000年11月10日
Published Date 2000/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902283
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はじめに
医療を取り巻く急激な環境の変化に対応し,より質の高い看護を提供するための1つの方策として,日本看護協会が1996年に専門看護師および認定看護師制度を発足させた。翌1997年6月には初めての認定看護師が救急看護,創傷・オストミー・失禁(WOC)看護の2領域において,計37名誕生した1)。その後,1999年12月現在,認定されている看護分野は8領域となり(ただし,1分野は開講準備中)「276人の認定看護師が全国の病院で働いている」2)というように,着実に制度が発展しているように思われる。
しかしながら,その「働き方」の実態には重要な問題点が潜んでいる。すなわち,日本看護協会認定看護師規則により,認定看護師は,特定の分野における「実践,指導,相淡」という専門性を生かした,独自の役割を果たすことが規定されている。にもかかわらず,専門性とは全く関係のない病棟への配置が行なわれていることが,多くの実態調査や報告等により明らかにされている3-4)。
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