特集 ここまでできる!摂食・嚥下リハビリテーション
コラム・PEG後の摂食・嚥下訓練の留意点について
佐藤 央一
1
1医療法人栄寿会天満病院
pp.238-239
発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100880
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- 文献概要
●摂食・嚥下訓練への道
※1 スクリーニングテスト前提条件
・意識が清明(JCS1桁,GCSのM6以上)である.
・全身状態が安定している.
・口腔内が清潔に保たれている.
・安全な姿勢が保持できる.
経管栄養チューブは抜去してスクリーニングを行なう
(チューブ挿入状態で摂食すると実際の能力との解離あり).
※2 グレード分類(摂食・嚥下障害グレードGr分類)*
Gr 1 嚥下困難または不能,嚥下訓練適応なし
Gr 2 基礎的嚥下訓練のみの適応あり
Gr 3 条件が整えば誤嚥は減り,摂食訓練が可能
Gr 4 楽しみとしての摂食は可能
Gr 5 一部(1~2食)経口摂取
Gr 6 3食経口摂取+補助栄養
Gr 7 嚥下食で,3食とも経口摂取
Gr 8 特別に嚥下しにくい食品を除き,3食経口摂取
Gr 9 常食の経口摂取可能,臨床的観察と指導要する
Gr 10 正常の摂食・嚥下能力
※3 間接訓練(主な手技)
・嚥下体操:摂食前の準備体操.摂食開始直後の誤嚥やむせを軽減させる.
・のどのアイスマッサージ:嚥下反射を誘発させる(部位;軟口蓋,奥舌).
・ブローイング訓練:口唇閉鎖,鼻咽腔閉鎖,呼吸機能を改善する.
具体的な手順は,成書を参照.
※4 直接訓練(主な手技)
・複数回嚥下:嚥下後に1回以上空嚥下をすることで,咽頭の食物残留を減らす.
・嚥下の意識化:ふだん無意識の嚥下を「意識化」することで,誤嚥や咽頭残留を防ぐ.
・姿勢調節:適切な姿勢によって,誤嚥を防止,摂食量を確保,胃食道逆流,食道内逆流を防止する.
具体的な手順は,成書を参照.
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