特集 口腔乾燥症のWhy&How
口腔乾燥症患者・家族に対する指導
食事指導
三輪 真紀子
1
1九州厚生年金病院栄養管理室
pp.1194-1195
発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100841
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口腔乾燥があると,口腔が正常な機能を発揮することができなくなる場合があり,咀嚼しにくい,飲み込みにくい,味覚が低下するといった症状を引き起こす.これは,唾液による粘膜の保湿や口腔の自浄作用が低下するためで,慢性になるとさらに粘膜が弱くなったり感覚低下を起こすことも考えられる.
重症の口腔乾燥症では,経口摂取が困難になり,低栄養や脱水症状に陥る可能性がある.誤嚥防止や栄養補給を目的として経管栄養に移行してしまうと,口腔への適度な刺激がなくなるため,唾液の分泌がさらに減少して,咀嚼や嚥下機能がますます低下してしまう.
したがって口腔乾燥や唾液分泌低下のある患者では,口腔機能が十分に発揮できるように食前の保湿と嚥下しやすい食事形態について考慮することが必要である.
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