治療のポイント
慢性膵炎の食事指導
荻原 洋三
1
1信大小田内科
pp.1136-1137
発行日 1967年8月10日
Published Date 1967/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201877
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従来わが国では慢性膵炎は諸外国に比し少ないとされていたが,膵に関する病態生理の解明と,膵炎への関心がたかまるにつれて,近年しだいにその数を増してきたといわれる。しかし慢性膵炎という病気は定義自体にも問題があつてその概念に統一を欠き,また症状も多彩でありこんにちでも診断のむずかしい疾患の一つとされている。これらの点については本論からそれるので,べつの論文を参照されたい1)。
さて膵炎の原因または誘因として食事の重要性については古くから論ぜられ,大食,脂肪,肉食,アルコール飲用が重視されている。また栄養障害が膵機能または膵組織に与える影響についても有害性であると考えられている。慢性膵炎の治療,ことに食事療法には以上の点を考慮しながら行なう必要がある。
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