今月の主題 高脂血症と動脈硬化
高脂血症の治療
食事療法と生活指導
板倉 弘重
1
,
伊藤 洋
1
1国立栄養研究所・病態栄養部
pp.442-443
発行日 1989年3月10日
Published Date 1989/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222362
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高脂血症と動脈硬化の原因に食事が大きな係わりをもっていることはこれまでの疫学的研究,動物実験などからも示されている.食事療法を中心とする生活指導は高脂血症治療にとって必須のことであるが,実際には外来診療時間の制約や栄養士との連携のまずさなどから,不十分な場合が多いのではないかと思われる.高脂血症の病態と合併症の有無,生活様式などによってその方法は決められるべきであるが,小児高脂血症においては,特に生活指導が重要な要素を占めているが発育を考慮した広い視野からの対応が必要となる.高脂血症の食事療法というと,動物性脂肪の制限など,ある食品の摂取の制限が強調されて栄養のアンバランスを引き起こさないようにしなければならない.このことは小児とともに高齢者にも当てはまることである.カルシウムなどのミネラル,脂溶性ビタミン,蛋白質などが犠牲とならないように配慮する.
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