特集 その人らしい生活を実現するための退院支援
退院後の安心を提供する医療連携科の試み
木佐貫 篤
1
,
迫間 やす子
2,3
,
黒木 直子
1
1宮崎県立日南病院医療連携科
2宮崎県立日南病院
3前地域医療連携室
pp.612-621
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100320
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今なぜ地域連携が重視されるのか
医療の高度化・多様化,患者ニーズの変革,疾病構造の変化(急性疾患から慢性疾患へ)から,これまでのように1つの病院ですべてを完結する,いわゆる病院完結型医療は成立しなくなりつつある.経済的には長期入院患者の診療報酬逓減などの逆風が吹き,運営的にもあらゆるニーズに対応するための人材をそろえるのは困難となっている.厚生労働省の医療政策も,急性期型・慢性期型(療養型)に病院の機能を分けていく方向が示され,その傾向はますます加速するだろう.
したがって,これからは各々の病院が特性を発揮し,地域で病院・診療所・介護療養施設などと連携して同じ患者の診療治療を行なう,すなわち地域完結型医療への転換が求められる時代となり,各医療機関の連携が必須となってきた.
とはいえ,まだ地域連携の取り組みは手探りであり,ノウハウも乏しい.本稿では,われわれがこれまで行なってきた地域医療を推進する試みや課題について紹介したい.
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