連載 糖尿病advanced care―合併症を持つ人へのアプローチ⑫ 最終回
「看護の教育的関わりモデル」の今後の展望―看護職者の教育実践力を高めるために
安酸 史子
1
,
患者教育研究会
1福岡県立大学看護学部
pp.1157-1160
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100687
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はじめに
「看護の教育的関わりモデル」を使った糖尿病アドバンスドケアについて,患者教育研究会のメンバーが具体的な事例を用いて1年にわたり連載してきた.連載にあたって,患者教育研究会の代表である河口は,血糖コントロール状態にばかり目を向けて指導してきた従来の教育のあり方は効果的でないばかりか,患者をうつ状態に追い込むことも多いと指摘し,食事療法を長期に続けている患者は10%程度であるという実態から,「できないのが普通」というスタンスに立って,患者を責めないで,一緒に問題解決を探っていく教育のあり方への転換を推奨した1).我々患者教育研究会では,事例検討を通して,「看護の教育的関わりモデル」を開発してきた.熟練看護師たちのすぐれた患者教育における実践知を,精神論や経験論でかたづけてしまわないで,患者教育の初心者にも説明できるモデルを作成することで,看護職者の実践力を高めることが目的であった.連載してきた事例の数例を取り上げて,もう一度振り返るところから,今一度,アドバンスドケアについて考えてみたい.
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