特集 「自分で決める」を支えるために
患者の自己決定支援は看護師の仕事―その時,患者の最もそばにいる支援者として
江口 恵子
1
1霧島市立医師会医療センター看護部
pp.996-1003
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100652
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臨床の現場は,どんな時でも患者家族の自己決定の場であり,患者の最も身近にあって自己決定を支えるのは看護師の役割であるといっても過言ではない.むしろ,そこに主体性をもって関与することに看護のアイデンティティがあるのでは,と私は考えている.
患者に対するインフォームドコンセントは,法的な意味からも医療を行なううえでの基本的な行為である.しかしながら,今日,私たちはそのインフォームドコンセントを適切に行なっているであろうか.患者がすべてを自己決定することができる,患者にすべてを任せるというスタンスに立って行なわなければならないが,なかなかそのようにはいかず,意識するしないにかかわらず,説明そのものが患者の行動を操作していることも少なくない.あるいは,患者の意思を尊重するということのもとに患者の自己責任を強く感じさせるような場合もある.
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