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特集 エムポックス(サル痘)の疫学・感染経路・症状・診療指針
エムポックスのリスク低減の自己決定を支援するコミュニケーション
Communication to support self-determination to reduce risk of mpox
山本 朋範
1
Tomonori YAMAMOTO
1
1国立感染症研究所感染症危機管理研究センター
キーワード:
リスクコミュニケーション
,
コミュニティエンゲージメント
,
RCCE
,
エムポックス(サル痘)
Keyword:
リスクコミュニケーション
,
コミュニティエンゲージメント
,
RCCE
,
エムポックス(サル痘)
pp.677-682
発行日 2023年5月13日
Published Date 2023/5/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28507677
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2022年に欧米を中心としてはじまったエムポックス(サル痘)の世界的な流行で,新規感染者数が大幅に減少した要因のひとつとして,市民の行動の変化があったことを示す報告がある.その背景にあると考えられているのが,各国で実施されている双方向性の “リスクコミュニケーション” の成功である.また,今回のエムポックスの流行には,感染者の性別や性的指向に偏りがみられることなど,誤解や偏見を招きやすい複雑な背景がある.そのため,双方向性のコミュニケーションや市民の納得感が特に重要であり,リスクに直面している当事者,専門家,行政が協働する “コミュニティエンゲージメント” が重要視されている.日本でもこれらの取り組みは実施されているが,小さな規模にとどまっており,体制の整備やさらなる取り組みの推進を目指す段階にある.また,コミュニケーションの場から浮かびあがってきた課題や意見を専門家や行政に還元する体制の整備も今後の課題である.
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