連載 病院管理フォーラム
■看護マネジメントの実践
患者の意思決定を組織で支えるために―看護師の専門教育として自己決定支援コースを設立して・後編
江口 恵子
1
1霧島市立医師会医療センター看護
pp.171-174
発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100494
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●自己決定支援コースを受講して,看護師はどのように変化したか
1年目の研修が終了した段階で,研修生は自身の患者との関わりを物語風に書いたものを利用し,その援助過程を研修で学んだことも踏まえて自己決定支援についてどのように思うか,という点から事例検討を行った.その検討の中で,患者の権利や自己決定権などを意識して援助することができるようになったという意見のほか,できる限り第三者的な立場で中立に関わろうとするが,医療者の立場で話してしまうことが多く,中立的に関わることの難しさを感じたという意見が多く聞かれた.しかし,このことは,これまでは意識しないでいたことが,意識化され,どうすれば患者の意思決定を支援することができるか検討しながら関わることができるようになったということである.日常の看護場面でも,医師との会話の中でも,患者の意向について話し合い相談することが多く行われるようになってきている.
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