調査報告 データにみる腹臥位療法の有効性[1]
寝たきり廃用症候群に対する改善効果―腹臥位(うつ伏せ)療法研究会発足準備室
正井 章子
1
,
辻村 恵美子
1
1ユニ・チャーム株式会社排泄ケア研究所
pp.678-681
発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100490
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はじめに
腹臥位療法(うつ伏せ療法,prone position therapy;以下,PPT)は,もっとも多くのケアを必要とする,いわゆる「寝たきり症候群」の予防・改善効果に優れ,しかも実施方法が簡単である.PPTの有用性や,その潜在的な可能性を考えれば,PPTが広く普及し,高齢者ケアに活用されることが望まれる.
そこでわれわれは,故中山・並河と共に研究をすすめたメンバーを中心に,PPTをより深め発展させることを目的に,「腹臥位(うつ伏せ)療法研究会」発足の準備を始めた.その過程でこれまでに集積されたデータを分析・再検討する作業を行ない,若干の知見を得た.
PPTの原理と方法および効果については,すでに並河1),その他2-6)が詳しく述べているが,われわれは①障害老人日常生活自立度,②痴呆老人日常生活自立度,③頸部後屈と嚥下障害,④排泄様式,の項目についてPPTの効果をまとめた.これらのデータと呼吸器疾患領域における実践的な取り組みについて,本稿を含め4回に分けて報告したい.今回は,①日常生活自立度に対する効果について報告する.
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