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褥瘡の臨床経過の評価におけるCCスケールの有効性―ブレーデンスケール,DESIGNとの比較とその位置付け
鈴木 俊恵
1
,
田中 尚美
2
,
藤本 美貴
2
1前・銚子市立総合病院
2銚子市立総合病院褥瘡コントロールチーム
pp.666-669
発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100489
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はじめに
褥瘡対策は,「作らない,悪化させない,早く治す」の三原則につきる1).具体的には,褥瘡を作らないためにブレーデンスケール1)などを用いて発生要因を発見し,悪化させないためにDESIGN2)などにより創部の評価を行ない,早く治すために適切な看護計画を立てていく必要がある.
褥瘡発生・悪化要因の評価の面で,ブレーデンスケールやDESIGNの有用性はすでに広く知られている一方,看護の現場では,次の2点がしばしば問題となる.
(1)これらのスケールに基づく点数の増減と褥瘡の軽快・悪化が必ずしも一致しない点
(2)個々の看護師の知識・技術が異なる現状では,観察者によって評価に差が出てしまう点
これらは,治療の停滞や視点のずれた看護計画の原因にもなりかねない.
そこで銚子市立総合病院(以下,当院)では,臨床経過をよく反映し,観察者間の評価にばらつきが少ないClinical Course Scale(以下,CCスケール)3)を開発・試行し,ブレーデンスケールやDESIGNによる評価との比較を行なった.
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