特集 腹臥位療法のいま 実践・研究・根拠
病院全体で腹臥位療法に取り組んで―導入から5年のあゆみ
織辺 智香子
1
,
竹垣 恵美子
1
,
初田 ちづ
1
,
谷口 久代
1
1市立加西病院腹臥位療法推進委員会
pp.530-534
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100459
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はじめに
当院は開設当初の1974年から疾病治療と早期の社会復帰を目指して,地域医療の中核を担ってきた.しかし,高齢社会の進展とともに疾病構造が変化し,疾病は治ったが寝たきりになるケースが増え,生命の質の維持・向上を視野にいれた医療・看護を模索していたところ,医療法人親仁会みさき病院神経内科医有働尚子氏の「低ADL(高齢)患者に対する腹臥位療法のすすめ」1)を知り,ひとりでも寝たきり患者をなくしたいとの思いから腹臥位療法を導入した.そして,現在180名の方に腹臥位療法を実施し,その効果を上げている.それらの効果を得ることができたのは,看護師個人,または病棟単位での取り組みではなく,病院全体で取り組んだことが大きいと考える.そこで,当院がどのように腹臥位療法を導入し,病院全体で取り組んだのか,その5年の経過をここにまとめた.この報告がこれから腹臥位療法を導入したいと検討されている方の参考になれば幸いである.
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