特集 これからの医療とPOS—第8回POS研究会報告
Ⅳ.シンポジウム2‘POSと教育’
病院全体でPOSを導入する場合の問題点
福間 誠之
1
1京都第一赤十字病院脳神経外科
pp.909-910
発行日 1986年12月30日
Published Date 1986/12/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908320
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我々の病院では約10年前に,日野原先生に直接POSの紹介を受け,一部の医師・ナースが二,三の病棟で使用するようになり,次第に他の病棟にも広がる傾向にあった.その頃のカルテを見てみると,記載の中で医師とナースが癌末期の患者の治療に関してお互いに意見を書いていて,面と向かっては話し合うことの困難な事柄を,紙面を用いて意見の交換がなされていたようである.ところが或る時,患者の職業,収入,家の様子などを聞くことが,プライバシイの侵害になるのではないか,そのような情報を書かなければならないPOSは良くないとされ,当院では正式にPOSを採用することが出来ず,一部の関心を持った医師やナースが個人的に使用して来た.ところが最近になって,赤十字本社で診療記録にPOSを使用することが決まり,我々の病院でも取り入れなければならなくなった.そこで病院全体として新しいシステムを導入する時にどのような問題が有るのかを考えてみたい.
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