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末期高齢痴呆患者の流動食および経静脈栄養に関する決定と看護師の役割
A.S.Schreiner
1
,
守本 とも子
2
,
原 等子
1
,
寺門 とも子
2
A.S. Schreiner
1
1日本赤十字九州国際看護大学
2三重県立看護大学
pp.44-47
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100380
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現代の高度医療化した病院への入院が,多くのストレスを引き起こしうることは,私たちの誰もが承知するところである.現代医学は複雑で,患者とその家族が,医療者の説明や治療の選択肢を理解できず,途方にくれる場面もしばしば見受けられる.しかし,そうした患者・家族も,必要な情報を与えられたうえでみずから選択できれば,入院にともなうストレスが軽減される.
すべての患者・家族は,治療やケアに関する情報を入手する権利と選択する自由を持っている.しかし,アルツハイマー型痴呆など,自己決定に必要な認知能力や判断能力が阻害され,やがて死にいたる病気を持つ患者の場合は,どの治療を受け,どの治療を受けないかという決定をくだすことはとくに困難である.こうした患者の家族は,治癒の見込みがない場合にはなおさら,苦痛を伴ったり植物状態を長引かせたりする可能性のある治療についてしばしば疑問を持つ.ほとんどの家族は,自分たちの大切な人が苦痛と不快から解放され,安らかで尊厳ある死を迎えられるよう望む.この家族の望みを実現することが,ターミナル期における緩和ケアの目標でもある.
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