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遺伝情報と看護
藤井 千枝子
1
1慶應義塾大学看護医療学部
pp.48-52
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100381
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今日,毎日のようにDNAや遺伝子という言葉が新聞などメディアのなかに登場するようになった.遺伝医療は急速に進歩している分野であり,その情報は生命の根源にかかわる重要な情報である.一方で,このような科学の進歩に人々の理解が追いついているとはいえない.このようななかで看護職は,遺伝医療における科学と文化の架け橋としての可能性を秘めている.
遺伝情報の特徴
ヒトゲノム計画によって人類の遺伝情報の解析がすすみ,2003年には約30億対ある塩基配列が報告された.また近年,バイオインフォマティックスという蓄積(アーカイブ)されたデータをインターネットなどのコンピュータを介して引き出し関係性を見出す,生物学と情報科学の結びついた分野での研究が進展している.こうした技術の進歩によって,ゲノムやタンパク質の構造や系統図などがアーカイブされている.
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