特集 無理しない委員会活動 私たちそれぞれのやり方
個人の意識が委員会を支える―「全員」委員の取り組み
原田 博子
1
1萩市民病院
pp.502-507
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100298
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委員会活動はなぜ「無理」しなくてはできないのか?
病院内での委員会やプロジェクトチーム,ワークグループなどはどこにもあるが,ラインの責任者が出席し診療報酬に基づく委員会以外,その位置づけが不明確であることが多い.また,元々看護部内で設置していた委員会と,病院が診療報酬の改定や病院機能評価受審によって設置が必要になった新しい委員会との関係が,うまく連携できていないこともある.さらには,組織図と実際の運営機能図が検討されておらず,職員にその役割が明確に示されていない場合もある.以上のことから,個々の職員は,位置づけが不明確で病院にも認識されていない委員会に所属したり,さまざまな役割を重複して担わされることになって,苦労することが珍しくないのである.
委員の任命においても問題はある.1つには,なぜ自分がその委員を引き受けなければならないのかという根拠の説明が,ほとんどの場合不十分だということである.ここには,本人の希望を確かめて決定しているのではない,という問題点もある.2つめは,委員会での人間関係が考慮されていないということである.任期中委員が気持ちよくできるかどうかは,どのような人が委員長か,委員会のメンバーが誰かということも大きく関係している.特に,任命されることが多い年度初めは,人事異動で病棟での新しい人間関係を構築する必要があり,そのうえ委員会のメンバーとのコミュニケーションも求められることになるのだから,楽ではない.委員会活動は通常勤務外になることが多いため,特にこの人間関係は仕事の調節にもかかわり,大きな負担となる.
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