請求もれ防止対策
請求もれ防止には医療従事者全員の意識改革が必要
松尾 茂
1
Shigeru MATSUO
1
1済生会中央病院医事課
pp.872-873
発行日 1985年10月1日
Published Date 1985/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208697
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健康保険法の充実により,国民の多くは良質で安い医療をいつも受けることができるようになった.これは,現時点では世界最高の医療制度とも言えるものであるが,この制度を維持発展させてきた裏側には,多くの医療従事者の涙の歴史があったことも事実である.良質で安い医療の提供は,資本主義社会の中にあって統制経済が維持できたからこそできたものであって,自由経済の中ではこれだけの制度はできなかったであろう.
しかしながら,この統制経済は医療行為をすべて診療報酬点数表の中に規定し,これにより医療費の計算を行うようにした.しかし,点数表には医療行為すべてが列挙されたわけではないので,かなりの部分で不都合が生じていた.これらの不都合な部分は国民皆保険前に多かったが,その頃はまだ保険加入者の数も少なかったので慣行料金で済ませ,点数表はあまり問題にされていなかった.
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