特集 患者さんの治る力を引き出すリラクセーション法のススメ
リラクセーション外来の意義と看護への期待―総合診療部での初診問診の経験から
星野 綾美
1
1群馬大学医学部附属病院総合診療部
pp.40
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100269
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群馬大学のリラクセーション外来では,初診患者さん全員に医師による問診と診察を受けていただいています.はじめに患者さんの病歴とリラクセーション外来を受診されるに至った動機を把握し,現在の身体所見からどのようなリラクセーション法が可能かを提言することが医師の役割です.たとえば,起立性低血圧の患者さんに筋弛緩法を指導する際には,覚醒動作を念入りに行なうなど,スタッフが個々の患者さんに応じたきめの細かい対応を行ないますが,そのためには患者さんの病態を正確に把握する必要があり,総合医がこれを手伝います.また,終末期を迎えてリラクセーションを希望された入院中の患者さんの場合は,医師が病室で問診と診察を行ない,病棟主治医からの紹介状の内容や現場の医療スタッフの意見を総合したうえで,注意や提案を本外来のスタッフに伝えます.
こうして,リラクセーション外来で最初に患者さんと接する立場から実感する点は,どの患者さんも極めて「能動的」に疾患と向き合おうとしているということです.近年Narrative Based Medicine(NBM;患者さん自身が自分の病気の発症や治療経過を1つの物語として捉え,「腑に落ちる」ことで予後やQOLが改善される)の考え方が注目されていますが,リラクセーション外来を訪れる患者さんは,「なぜ病気になったのか?」「よくなるために自分で何かできないか?」を常に問いかけています.
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