特集 患者さんの治る力を引き出すリラクセーション法のススメ
医療変革期におけるリラクセーション外来の意義
前田 三枝子
1
1群馬大学医学部附属病院
pp.38-39
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100268
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- 文献概要
・DPCによって高まる外来での看護の役割
昨今の医療を取り巻く環境の変化には著しいものがある.平成16年度より国立大学が一斉に法人化し,大学病院にも経営の概念が導入された.また,それより一歩先んじて導入された日本版医療の包括評価,いわゆるDPCによって,医療の効率化,標準化を図る必要性が鮮明にでてきている.
出来高払いの世界では,濃厚な検査や治療・処置,投薬を行なえば行なうほど診療報酬点数は高くなり,病院の収入は増加する.一方,包括評価の世界では,疾病ごとに検査・治療がセット化されたようなもので,手術・処置の有無によって入院期間に応じた価格があらかじめつけられている.一定の期間内に,標準的医療を提供すれば,医療収益は一定の水準が確保できるが,合併症が生じたり,一度の入院で並存症も治そうと,主たる入院治療目的から外れた検査や治療をしても,診療報酬上の償還はなく,医療提供者側の持ち出しとなり,総じて損失が収益を上回るという仕組みである.個別のニードに対応する医療は,オプションとして医療消費者側が選択する保険診療と自由診療の混合が認められる時代がそこまで到来している.
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