特別記事
急性期病棟における転倒転落予防への取り組み―危険度チェックリストの改良と申し送りの見直し
山下 千賀
1
,
江口 薫
1
,
和田 純子
1
,
香月 峰子
1
Yamashita Chika
1
,
Eguchi Kaoru
1
,
Wada Junko
1
,
Katsuki Mineko
1
1天草郡市医師会立天草地域医療センター2階病棟
pp.608-611
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100149
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
さまざまな手段を講じても,なぜか減らない転倒転落件数.
患者本人にも家族にも納得のいく対策をとるために,危険度を測定しそれに応じた援助を提供する試みを紹介します.
はじめに
筆者らが所属する病棟(以下,当病棟)は,整形外科と小児科を主とする44床(うち小児科4床)の混合病棟で,年間約380件の手術が行なわれる急性期病棟である.また,入院患者における高齢者(65歳以上)の割合が約40%を占め,認知症(痴呆)の患者も多い.このような患者背景から,転倒転落を未然に防ぐことを目的として,2002(平成14)年より,整形外科入院中の患者に対し,転倒転落の危険度を把握するための「危険度チェックリスト」を作成した.
その後,危険度チェックリストを使用し,予測に基づくさまざまな対策を行なってきたが,転倒転落件数の明らかな減少には至らなかった.そこで,2003(平成15)年に危険度チェックリストの見直しと,危険度に応じた申し送りを行なうことで,転倒予防や看護師の転倒転落予防に対する意識の向上などの効果が得られたので,報告する.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.