調査・研究
保存期慢性腎不全患者に対するエリスロポエチン製剤皮下投与後の疼痛―EPOαとEPOβを比較して
栗原 昌子
1
,
西海 泰世
1
,
高橋 美和
1
,
島田 憲明
2
1江東病院血液浄化室
2江東病院内科
pp.613-615
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100150
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はじめに
エリスロポエチン製剤(以下,rHuEPO製剤)が保存期の腎不全患者およびCAPD患者に投与されるようになってから10年が経過した.rHuEPO製剤は,保存期慢性腎不全患者のQOLの改善だけでなく,腎保護作用もあると言われることから,非常に重要な薬剤である.しかし,薬剤投与時の疼痛のために患者が投与を拒否することがあり,軽視できない問題になっている.
現在,わが国では2種類の皮下注用rHuEPO製剤(エスポー(R)皮下用,以下EPOa.エポジン(R)皮下用,以下EPOb)が使用されている.これらは,添加剤の変更や,バイアル製剤からシリンジ製剤への変更があり,そのつど,両剤の投与時の疼痛に関する報告が発表されている1,2).しかし,現在使用されているシリンジ製剤での報告は,投与直後の疼痛を比較するもののみであり,一定の時間が経過した投与後の疼痛に関するものはない.
そこで本稿では,EPOaおよびEPObの皮下投与直後および5分後の疼痛について比較検討した.
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