特集 操作される生と死を前にして
遺伝子診断とチーム医療
玉井 真理子
1,2
1信州大学医療技術短期大学部
2信州大学医学部附属病院遺伝子診療部
pp.859-862
発行日 2001年11月25日
Published Date 2001/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903876
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はじめに
近年の分子遺伝学の進展により,様々な疾患の遺伝子レベルでの病因・病態の解明がすすんでいる.一部の疾患では,遺伝子診断というかたちで,実際の医療の領域でも応用されつつある.
遺伝子診断には,体細胞レベルでの遺伝子の変異を明らかにしようとするものと,生殖細胞系列でのそれを明らかにしようとするものがあり,後者のみを遺伝子診断と呼ぶ場合もある.さらに後者のなかには,(すでになんらかの症状が出ている人の)確定診断だけでなく,発症前診断,出生前診断など,多様な用途がある.病気と遺伝子変異の関係も,遺伝子変異が発症に直結する場合と,遺伝子の変異は病気のかかりやすさ(易罹患性)を示すのみで,環境要因との相互作用によってはじめて発症するものもある.
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