特別寄稿
ペルーのダイレクト・エントリー助産教育
ルルデス・R・エレーラ・カディジョ
1
,
イルダ・Z・バカ・ネグリア
2
,
川上 明子
3
,
宮里 邦子
3
1大阪大学人間科学部
2サン・マルティン・デ・ボレース大学助産学部
3広島大学医学部保健学科
pp.760-766
発行日 2002年9月25日
Published Date 2002/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903499
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はじめに
ダイレクト・エントリー助産教育の問題については,世界でこれまで広く論じられてきたし,現在も論じられているが,まだ十分に論じ尽されたわけではない。ダイレクト・エントリー助産教育が実施されていない国々もしくは発足したばかりの国々では,その法的・教育的基盤が論じられており,一方,ペルーのように助産師という専門職種が長年にわたって存続してきた国々では,法律とカリキュラムが不断に改正され,更新されている。
ペルーの助産師は大学教育と臨床体験を通じて養成されるので,幅広い医療サービスを提供することができる。このキャリアは,妊娠・出産と育児のケア,および広い意味での女性の健康のケアに技能と知識を提供することを望む者にとって魅力的なものと言えよう。初めから助産師のキャリアを選ぶ私たちにとって政治的・教育的基礎が問題になることはほとんどなく,すでに確立した一職業になっている。教育と自立度の高さによって,病院,大学,母子健康センター,家族計画センター,STDセンター,および自営の診療所でサービスを提供することができる。初心に従ってペルーの助産師は,1世紀余にわたる伝統のなかで獲得してきたこの自立性を守ることを望んでいる。
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