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オーダーエントリーシステム
吉原 博幸
1
1宮崎医科大学外科学第二講座
pp.933-934
発行日 1992年10月1日
Published Date 1992/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901304
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近年,総合医療情報システムの名のもとに,旧来の医事会計システムを拡張した形での医療情報システム(オーダーエントリーシステム)が構築され,多くの施設で稼働を始めている.これらのシステムの共通点は,その出発点がすべて医事会計システムに根ざしていることである.システム導入によって,料金計算,薬剤業務などの処理時間が目に見えて改善されるため,オーダーエントリーシステムの目的が患者サービスの改善にあると短絡的に考えてしまいがちである.もちろん,患者サービスの改善が大切なことはいうまでもないが,単に待ち時間を短縮することが目的とするとすれば,なにも高価なコンピュータを使うまでもない.総合的な医療情報の蓄積を前提としたシステムが存在し,そのデータベース利用の結果として待ち時間の短縮が実現されるというのが本来の姿であろう.いずれにせよ,オーダーエントリーシステムは,医療情報システムという巨大システムの1つの切り口であり,出発点にすぎないことを銘記すべきである.
ではオーダーエントリーシステムの目指すところは何か? それは電子カルテシステムである.電子カルテは,単に紙のカルテを電子化したものではない.また,医師だけのためにあるものでもない.もっと広く,総合医療情報システムそのものととらえるべきである.
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