特集 死産・流産のケア
横浜市立大学市民総合医療センター母子医療センターの実践—医療者に求められるものを自覚しつつ
関 和男
1
1横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター母子医療センター新生児科
pp.738-740
発行日 2002年9月25日
Published Date 2002/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903495
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
周産期の死
周産期医療は出生をサポートする場であり,また死産,流産,新生児死亡といった死を体験する場でもある。出生はそれまで存在しなかった命の生まれる特別な「生」であり,周産期の死はその意味でさらに特別な「死」である。
周産期の死に対し,母は他の家族の死とは特に違った反応を示すとされている。この特殊性は様々な面で理解されるようになっているが,竹内ら1)は「現在,死産・早期新生児死亡を経験する母親の悲嘆過程については,過小評価され社会的に認知されない悲しみのまま,善意の無関心または放置される傾向がある」と述べ,この報告の出された平成10年度でも対策が不足していることを指摘し,周産期医療での死に対する理解や死別対応チーム編制の必要性を強調している。
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.