連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第2回
大阪市立総合医療センター
坂部 建司
1
1伊藤喜三郎建築研究所
pp.1145-1151
発行日 1994年12月1日
Published Date 1994/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901401
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はじめに
大阪市制100周年記念事業の一環として建設された本医療センターは,大阪市の医療体制を再整備し高度医療に対応し得る市の基幹病院を目的とした総合病院である.大阪市には5つの市民病院と4つの専門病院の合わせて9つの医療施設があった.この内5つの医療施設を統廃合し,高度な総合医療機能を備え,さらに建築デザインやコンペティションによるアート,中庭や屋上の植栽などの導入による人間的空間を配慮した「インテリジェントホスピタル」である.
敷地はJR大阪環状線「桜の宮」駅と地下鉄谷町線「都島」駅の中間の位置にあり,都島本通りに面した都心のほぼ平らな所にある。当センターは,病床数1,063床.標榜診療科目40科.年中24時間体制で市北部地域の救命救急の拠点の役割を担っている.急性期の患者を主体に癌・心疾患・脳血管疾患の3大疾患をはじめ,成人病医療を中心とした医療体制の充実を図ると共に小児医療やハイリスク周産期,及び感染症など様々な医療分野を本施設に集約している.
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