今月のニュース診断
母乳・ダイオキシン・SIDS—妊産婦の不安にいかに寄り添うか
斎藤 有紀子
1
1明治大学法学部(法哲学・生命倫理)
pp.1018-1019
発行日 1998年12月25日
Published Date 1998/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903469
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妊産婦とダイオキシン
「厚生省調査,ダイオキシンの母子移行:へその緒からは微量」(朝日新聞10月9日)。厚生省の「臍帯血等のダイオキシン類に関する研究班」が,20人の妊産婦の協力を得て,胎盤,臍帯血,出産後5日目の母乳のダイオキシン類の濃度を測ったところ,臍帯血中の平均濃度は,他に比べて有意に低いことが明らかになった。班メンバーの多田裕教授(東邦大学医学部)は,「胎盤の何らかの働きによって濃度が低くなっている可能性を示唆するもの」「しかし脂肪1g当たりのデータがないので,さらに慎重に検討する必要がある」と述べている。
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