特集 1か月健診までのお母さんの健康と生活
お母さんの小さな疑問,大きな不安をどう受けとめ援助するか
砥石 和子
1
,
佐藤 由紀江
1
,
福井 トシ子
1
1杏林大学医学部付属病院産婦人科病棟・NICU病棟
pp.882-887
発行日 1996年11月25日
Published Date 1996/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903431
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はじめに
病院を退院した赤ちゃんで,1か月健診までの間に異常を示す赤ちゃんは,どれくらいいるのだろうか。ほとんどの赤ちゃんは何も問題はなく元気である。しかし,この赤ちゃんの生きていくための反応が,母親を,その家族を脅かすことがある。病棟へ寄せられる電話相談の多くは,何が心配なのかが曖昧なままでの(だから不安なのだが)電話相談がほとんどである。「赤ちゃんは何でもないんですよ。元気ですよ」という助産婦の一言が,母親を家族を安心させる。またその一言が欲しくて電話をしてくることが多いのではないだろうか。
電話の相手は,目に見えない相手である。したがって,その対応には慎重でなければならない。赤ちゃんの状態に関する言葉のみではなく,母親の置かれている状況を踏まえた上で,赤ちゃんの状態を聴くことが,多くの場合赤ちゃんに対する不安を軽くすることにつながるのではないかと思える。
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