焦点
静脈注射問題,どう受けとめどう対応するか
林 千冬
1
1神戸市看護大学
pp.516-528
発行日 2003年7月25日
Published Date 2003/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903445
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Ⅰ 静脈注射の実施に関する行政解釈の変更―その政策決定過程に対する批判
問題提起
2002年9月の厚生労働省「新たな看護のあり方検討会・中間まとめ」(以下「中間まとめ」)と,それを受けての厚生労働省医政局長通知(医政発0930002号)」による看護職者の静脈注射実施に関する行政解釈の変更(以下,「通知」)は,各所でセンセーショナルに報じられた.
この「通知」を経て明けて2003年3月17日には,厚生労働省「看護基礎教育における技術教育のあり方に関する検討会報告書」において「教員や看護師の指導・監視のもとで学生が実施できるもの」(注・傍線筆者)として「与薬の技術」の中に「静脈注射の方法」が明記された.こうした一連の事態が,看護のあらゆる現場に大きな影響を及ぼすことはいうまでもない.年度は変わったが,多くの看護現場の,そして看護教育現場の模索はまだはじまったばかりであろう.
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