特集 周産期の糖尿病ケア
かかわりが困難だった糖尿病合併妊婦の看護を振り返る
高橋 久子
1
1杏林大学病院総合周産期母子医療センター
pp.836-842
発行日 2002年10月25日
Published Date 2002/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902967
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事例の紹介
Aさん
28歳。2型糖尿病。身長:163cm,非妊娠時体重:53kg,BMI:19.9,分娩時体重:80kg(27kg増)。妊娠前には1日に100本以上の喫煙があったが,妊娠後は1日に20本に減らした。飲酒も妊娠前にはウィスキーを毎日のように飲んでいたというが,妊娠後はときどきビールをコップ一杯ほど飲んでいた。食事は実父が1200kcal/日の食事療法を行なっていたため,時々は自分が調理して同じものを食べていたという。しかし,それ以外は好きな物を好きな時間に食べているという状態であった。19歳の時に他院で糖尿病を指摘され,食事療法とインスリン療法を開始したが,血糖のコントロールは不良。22〜23歳の頃に糖尿病性網膜症のため両眼にレーザー照射を行なっている。27歳の時,本人の希望でインスリン療法から内服薬に変更となったが,血糖コントロールは改善されなかった。
家族は実父・実母・祖母(父方)・祖父母(母方)が糖尿病であり,実母はAさんが25歳の時に糖尿病性腎症に対する人工透析中に49歳で死亡したという。
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