特別寄稿
代理出産.何が問題か
鈴木 良子
1
1フィンレージの会
pp.901-905
発行日 2001年10月25日
Published Date 2001/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902745
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
根津医師の起こしたハレーション
「代理懐胎(代理母・借り腹)は禁止する」。これが,昨年12月に発表された旧厚生省・生殖補助医療技術に関する専門委員会「「精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療のあり方についての報告書」の結論である。金銭授受をともなうか否かにかかわらず,すべて禁止という意味だ。この報告を受け,厚生労働省は平成15年の通常国会に代理出産禁止を含んだ法案を提出することをめざしていた。
しかし,長野県の産婦人科医・根津八紘氏が姉妹間での「代理出産」を実施していたことが,5月19日の新聞各紙で報道された。「事実を先行させて議論を起こす」という根津氏の方法論には賛成できないが,現実には根津氏の思惑どおりにコトが進んでいるような気もする。ハレーションは大きかった。
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.