特集 周産期の「食」
食べることは生きること:周産期の「食」学
香川 芳子
1
1女子栄養大学
pp.457-461
発行日 1999年6月25日
Published Date 1999/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902181
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食べることの生物学的な意味の再確認
ヒトは哺乳類の一種であり,体の維持に食物は欠かせない。しかしながら,飢餓にさらされなければ食物の大切さを自覚できないことも事実である。
ヒトは普通,空腹感や嗜好に基づいて何をどのようにどれだけ食べるかを決めている。更に成長過程で親を見習って身につけてきたことも他の哺乳類と同様である。食べ方に誤りがあればその動物の種は衰え,遂には絶滅してしまう。われわれはたまたま子孫を残せる程度には正しい選択をした先祖のお蔭で存在できているといえる。したがってもし,食環境が変わった場合は対応して食べ方を変えなければその種は存続できない。
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