FORUM 世界の食生活・Vol.15
食べるために生きる?
-――フランスにおける美食と健康の哲学
和田 萌
1
1東北大学大学院国際文化研究科
pp.940-943
発行日 2024年3月16日
Published Date 2024/3/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28811940
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「食べるために生きるな,生きるために食べよ」とは,ソクラテスの言葉である.私たちはこの言葉を “食べることは手段であって,生きるという目的と取り違えるな” という意味に解釈している.しかし,食べることは本当に必要悪なのであろうか.食を通して生きることを考えるのは,単なる快楽の追求とみなされてしまうのであろうか.美食の国として知られるフランスには,「食べるために生きる」ことを是とする文化がある.その美食文化は,「フランス人のガストロノミー的食事(Gastronomic meal of the French)」として,2010年にユネスコ無形文化遺産に登録されたほどだ.
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