インターホン
「不妊」の翻訳に携わって—不妊の女性たちが語りはじめた
長沖 暁子
1,2
1慶応大学
2フィンレージの会
pp.765-768
発行日 1991年8月25日
Published Date 1991/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900399
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カップルの1割といわれる不妊。でもその人たちがどのような治療を受け,何を感じてきたのかは今までほとんど語られていなかった。私たちが翻訳した『不妊—いま何が行われているのか』(晶文社刊,1991)は世界各国の不妊治療体験者が初めて口を開き,その生の声を公にした本である。
なぜこんな思いをしてまで,治療を受けなければならないのだろう。翻訳の過程で考え続けたテーマだった。
出版後の反響は私たちの予想を超えたもので,これをぎっかけに日本の女性たちも語りはじめた。そして,やっと私自身にも「なぜ」を考える糸口ができてきたように思う。
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