今月の臨床 不妊診療─現在の課題と将来展望
不妊治療と女性のエイジング
久保 春海
1
1NPO法人日本不妊予防協会
pp.1434-1439
発行日 2007年12月10日
Published Date 2007/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101615
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はじめに
わが国の少子化傾向は昨年(平成18年)やや改善して3万人くらい総出生児数が増加したというものの,すでに特殊出生率は1.32と安定した人口が維持可能とされる2.3を大きく下回っている.これには社会的要因として,女性の意識改革,社会進出に伴う晩婚,未婚,非婚,および結婚しても晩産,未産,非産などの傾向が大きく関与している.非婚,非産はリプロヘルス・ライツによって保障された権利であり,個人の幸福追求権として,基本的人権の範疇に入るのであろうが,晩婚,未婚および晩産,未産の場合,生殖可能期間(15~45歳)といわれる30年間の全期にわたって生殖可能と考えられやすいが,安全生殖年齢限界(通常35歳)が医学的に証明されており,これを超えた年齢での生殖行動は,いわゆる社会性不妊(加齢に伴う不妊)に陥りやすい(図1).
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