特集 周産期ME機器マニュアル
ドプラ胎児心拍検出器
吉田 幸洋
1,2
1順天堂大学医学部
2産婦人科学教室
pp.494-496
発行日 1991年6月25日
Published Date 1991/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900335
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妊娠の全期間を通じて,胎児の生死を確認することは妊産婦管理の基本である。胎児心拍動を検出することは胎児生存を最も確実に証明することのひとつであり,その方法にはドプラ胎児心拍検出器の他にも,トラウベによる胎児心音の聴診や,リアルタイム超音波断層法によるBモードやMモード画像上で心拍運動を確認する方法などがある。
このうち,ドプラ胎児心拍検出器(図1)による方法は最も簡便であり,また,心拍音をスピーカーを通して医師や助産婦のみならず妊婦自身も聞くことができ,安心感や希望を与え得るという点で妊産婦管理上他の方法にないメリットがある。しかしながら,ドプラ胎児心拍検出器により胎児心拍が聴取可能となるのは一般に妊娠11週以後とされ,妊娠初期には応用できない点,さらに,妊娠末期や分娩時における胎児心拍数モニタリングのためには分娩監視装置が必要である点などを考慮しなければならない。
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