特集 血液測定
超音波ドプラー法の応用
超音波ドプラー法によるICUの心拍出量監視
尾本 良三
1
1三井記念病院外科
pp.565-568
発行日 1974年8月15日
Published Date 1974/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202648
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ICUにおいて,患者の心血行動態の変動の特に激しい時期に,従来から行われている心電図,血圧,中心静脈圧,心拍数などのモニターだけでは充分とはいえず,例えば低心拍出症候群においては,血圧はどうにか維持されているが,末梢灌流量は著しく減少していることは良く知られている。ドプラー血流計のICUでの利用の目的は,血流情報をICUのベットサイドに導入しょうということであり,具体的には,末梢動脈血流を長時間連続して計測し,その局所灌流状態を知り,更にそれにより,中枢の状態,すなわち心拍出量を近似的に求めたり,心機能評価の指標を得ようとするものである1)2)。
本稿では,ドプラー血流計の定量的利用への一つのアプローチとして,ICUの心拍出量監視について述べさせて頂く。装置方法は,きわめて簡単にふれるだけとし,近似的心拍出量計算の前提となっている種々の実験的事実は,ここではできるだけ省略して参照文献をつけ,もっぱらドプラー血流波形から心拍出量の近似計算をする方法と,その臨床例を中心に述べることとする。
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