特集 長期臥床妊婦の看護
塩酸リトドリン治療妊婦の看護—筋力低下予防を中心として
鈴木 聰子
1
,
大久保 和代
1
,
神田 美紀
1
,
杉浦 由佳
1
,
松井 きく美
1
,
柴崎 尚子
1
,
谷島 春江
1
,
松本 幸子
1
,
西川 明子
1
,
宮川 智子
1
,
渡辺 ヤエ子
1
1埼玉医科大学総合医療センター産婦人科病棟
pp.201-206
発行日 1991年3月25日
Published Date 1991/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900277
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はじめに
産科病棟での長期安静臥床を余儀なくされる患者としては,まず切迫早産妊婦が上げられる。早産を回避したいのは,早産児は未熟性が顕著で,特に1,500g以下の極小未熟児や,1,000g未満の超未熟児においては,その生命予後や神経学的予後の点でも,今なおむずかしい問題が多いためである1))。
切迫早産治療には安静とともに,近年開発されたβ2刺激剤である塩酸リトドリン投与が主流を占め2),成果を上げている。切迫症状が著明で,しかも在胎週数が短く児の未熟性が顕著と予想される症例では,長期間の塩酸リトドリン治療と安静臥床を必要とする。その間の妊婦の精神的,身体的,社会的苦痛は極めて大きい3)。そこで基本的な看護については他稿に委ねるとして,ここでは塩酸リトドリン長期治療妊婦の問題点のうち,特に下肢筋力低下に着目して述べたい。
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