私と読書
医学は一流,医療は三流—その実情がよく見える—「院内感染」を読んで
牧 智子
pp.724-725
発行日 1990年8月25日
Published Date 1990/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900157
- 有料閲覧
- 文献概要
ある国立大学附属病院の怖い実態
最近,国立のT大学医学部附属病院で放射線同位元素(ラジオアイソトープ)のずさん管理が表面化した。科学技術庁の調べによると,このT大病院の中央研究棟を取り巻く5か所で,自然界の最高200倍という高いレベルの放射線が出ていることが確認されている。T大病院は,科学技術庁から施設の改善など,37項目にもわたる行政指導を受けたということだ。
新聞報道などによると,「放射能汚染物質の管理体制がまるでなっていない。無責任もはなはだしい」と科学技術庁の放射線安全課長が語ったというのだから,T大病院の管理のずさんさは相当なものだったのだろう。
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.